東京都よろず支援事例 2019 case04

東京都よろず支援事例 2019 case04

天然鹿皮の活用を通じて、地域課題の解決をしつつ、
事業のステージアップを達成!

抱えていた課題

●佐々木様は、地元日光市で地域課題となっており廃棄されていた野生鹿の皮革に、同社が意匠権を保有する伝統図柄をプリントし、オリジナルデザインを忠実に復刻生産する新事業の構想をお持ちだったが、プリント加工を施す際のコストや工数の多さが課題となっていた。
(上部画像:傷がつき凸凹している鹿皮にも耐久性の高い印刷ができるプリンター、日光を訪れる海外からの観光客にも対応)

金綱チーフコーディネーターが行ったこと

●生産コストの削減ならびに発注から納期までの期間であるリードタイムの短縮を図るため、ものづくり補助金を活用し最新のプリンターを導入することを助言。作成を支援した同補助金の申請書には、害獣被害対策等で傷がつき廃材となっていた鹿皮の活用を通じて、地域課題の解決に貢献出来ることや日光市で高まっているインバウンド需要を取り込むことを強調した。
●都内の企業の慰安旅行や社員旅行等の需要を獲得すべく、佐々木様に対し東京商工会議所台東支部への入会を斡旋。台東区の中堅企業や同会議所企業へ積極的にアプローチすることで他の日光市内観光施設との差別化を図ることを提案した。
●前述の活動を通じて企業としての発信力を高め、全国の着物販売店に対し同社が展開する着物レンタル事業の足掛かりとするよう助言した。
(上部画像:駆除廃棄される野生の鹿皮にプリント加工を施したブックカバー)

成果

●ものづくり補助金の採択を達成し、前述の設備を導入することが出来た。これにより地元でオリジナルノベルティグッズの原料供給ポジションを確立。
●台東区内の企業への地道な働きかけにより、日光への玄関口である浅草周辺の事業者との接点を確保した。また、日光-浅草間の電車を運行する大手私鉄会社とコラボレーションした体験プランの提供を開始した。
●着物販売店へのレンタル事業の売上が前年比で約1,300万円増加し、財務内容が一気に改善された。


◆支援のポイント◆

●課題も多岐に渡り、事業者のモチベーションが落ちる危惧もあり、早目早目に、小さな成果を産み出し、事業者の方が前向きに課題にチャレンジしやすい環境を整えることに注力した。

相談者様の声

一人で何役もこなさなければならない中小企業の経営者にとって、気掛かりなことが起きた時、気軽に色々な経営の悩みを相談出来る東京都よろず支援拠点の存在は本当に頼りになりました。いつも“何でも気軽にご相談ください”と受け入れてくれる金綱さんの対応に何度となく勇気づけられました。

日本文化伝承株式会社 代表取締役 佐々木千春 様
世界遺産「日光東照宮」の門前町にて2004年に開業し、「日光うたかた着物店」の商号で日光の街中を着物で観光をしてもらうレンタル着物をメインに、レンタル人力車、記念撮影用写真館等の観光関連事業を営む。2011年度よりインクジェット捺染にて手書き着物図案をデータ化し、和柄のテキスタイルプリントや着物製造に力を入れている。
〒321-1433 栃木県日光市中鉢石町918 Tel. 0288-53-6465 http://neo-kimono.com 

金綱チーフコーディネーターのコメント

佐々木様は、地元貢献と、従業員の方々の働き甲斐向上にも意識が高く、新しい発想の中、企業の成長に向けてアクティブに活動される女性経営者です。企業としても日光市や日光東照宮をはじめとする社寺等との連携イベントを開催されています。それだけに今回、日本文化伝承様の地域貢献活動と売上向上に微力ながらお力添え出来たことを嬉しく感じています。


金綱チーフコーディネータープロフィール ▶︎


◀︎ 東京都よろず支援事例集にもどる