こんにちは、東京都よろず支援拠点コーディネータの水口です。
事業者のご相談対応させていただくと、大手小売店のバイヤーとやっとアポイントが取れたが商談が苦手で売り込み方が分からない・・など商談が苦手な方が大変多いと感じます。せっかく良い商品を作っても、売り込みが上手くいかなければ、売上はなかなか上がりません。バイヤーとの商談で注意すべき点をお伝えしていきます。
新型コロナウイルスの影響で展示会やリアルでの商談からしばらく遠ざかっている経営者の方も多いのではないでしょうか?ホームページで紹介して、ECサイトで購入してもらえばいい、確かにその手法で販売可能な商品も多数あります。しかし、昨年より展示会の開催も徐々に開催が始まり営業担当者が、説明しなければならない場面が増えてきました。自社の強みや商品の売り込みは皆さん得意なのですが、注意点を抑えていないため成約にならないケースを多数見てきました。バイヤーとの商談で注意しなければならない点をまとめてみました。
■商談で注意するポイント
「商談をしたい」と連絡が入りあわてて資料を準備される方もいらっしゃるかもしれません。慌てないような事前準備が必要です。下記に挙げる3つの安全性を意識して臨めば、大きな失敗をすることはありません。是非とも商談前に確認していただきたいと思います。
1・商品の安全性
自社の商品は、どんな材料で、どこで製造して、どのように流通して販売されているかご存じですか?商品の製造から販売までを分解すると下記のような流れになります。
各工程で注意すべき点は、下記の通りです。
- 原材料の産地は分かっていますか?産地証明書などは取れますか?
- 製造工場はどこですか?従業員の不法就労などは無いですか?工場の廃棄物や排水処理はされていますか?
- 製造工場からは、どのように運ばれてきますか?車、舟、飛行機どのような経路で届きますか?工場からの出荷は、週に何回ですか?混載されていますか?
- どこで販売していますか?販売先は把握していますか?
- 不良品の対応は、どのようにしていきますか?受付はどこで行いますか?修理はどこでどれくらいかかりますか?
上記の流れから安全性を高める為の注意を行うことが大切です。
2・会社の安全性
自社の決算状況は把握されていますか?大手と取引の場合には、発注後のトラブルを防ぐため先に取引口座を開設します。その際に、履歴事項全部証明書、3期分決算書などの提出を求められる場合があり、内容によってはヒアリングを受ける事もあります。
納品後に倒産などしてしまうと1で見た販売からアフターフォローの対応が出来なくなり、信用問題にも繋がります。その為、会社の安全について厳しく審査が入ることがあるということを頭に入れて、普段から決算状況を把握しておくことが必要です。
3・営業マンの安全性
バイヤーは忙しい中、時間を取って商談しています。
また、提出書類も多く社内打ち合わせも多数こなしています。そんな中、皆さんへお願いしていた資料の提出や問合せ内容がタイミングよく戻ってこなければ、どのような気持ちになるでしょうか?どんなにいい提案をしても、約束を守らなければ採用にはなりません。また一度採用になっても、提出依頼の期日を守らなければ次はありませんので、採用後も気を抜かず営業活動を行ってください。
■安全性以外のプラス点について
大手の小売店は、環境への配慮も欠かせません。なぜなら株主やお客様から自然環境などの環境改善の為の取組を求められているからです。
SDGsの細かい取組内容まで把握する必要はありませんが、17のゴールが設定されていて、日本では2017年から毎年8つの優先課題に基づき、政府の施策のうちの重点項目を整理した「SDGsアクションプラン」を策定していることを覚えておいてください。
■まとめ
商談力を上げるためには、バイヤーが何を望んでいるのか想像しながら商談を進めることが大切です。リアルの商談から遠ざかり、相手の望みを商談の中から読み取ることが少し難しくなっているかもしれません。しかし、ポイントを抑えることでスムーズに商談を進めることが可能となります。このコラムを参考にしていただき、自社の持つ商品やサービスを多くの方へお届けする為の参考になれば幸いです。
いつでも東京都よろず支援拠点へご相談ください。
- 対象 経営者・営業担当者向け
- 保有資格:中小企業診断士、行政書士事務所、1級販売士、第1種衛生管理者・ウエブ解析士など
得意分野:販路拡大、営業支援を専門分野としている。大手百貨店勤務時は、法人外商担当として22年間従事。同業百貨店、大手商社などとの競争を勝ち抜き大口案件獲得多数。現在は、窓口相談等での小売店、飲食店などへの店舗活動支援、製造業、卸売業などへの営業活動支援を行っている。