こんにちは。東京都よろず支援拠点 コーディネーターで税理士の上條紘輝(かみじょうひろき)です。
今回は、「顧問税理士って必要なの?どうやって探すのが良いだろう?」という点について、個人的な見解になりますが、少なからず相談を受けるのでとりまとめました。
考えの切り口として、「税理士に何を期待するか」という点から整理します。
真っ先に頭に浮かぶものとして、「確定申告や帳簿の作成」になるでしょうか。この点、個人事業主の方は、年々「e-tax」の機能が充実しており、申告時期には税務署が「確定申告会場」を設けることを考えると、自力で申告できる環境はかなり整っていると感じます。
【参考】 「国税電子申告・納税システム(e-Tax)」 (国税庁)
https://www.e-tax.nta.go.jp/
【参考】 「令和5年分確定申告期の確定申告会場のお知らせ」 (国税庁)
https://www.nta.go.jp/information/other/data/r05/kakushin_kaijo/index.htm
また、帳簿の作成も含めサポートしてくれる公的機関も比較的多く存在します。
【参考】 「全国青色申告会総連合」
https://www.zenaoirobr.jp/about/index.html
【参考】 「記帳相談」(東京商工会議所)
https://www.tokyo-cci.or.jp/soudan/kicyo/
※いずれのホームページも2024年4月時点の情報になります。
一方で法人の場合、個人事業主ほど公的機関のサポート体制が充実していない印象です。
また確定申告について申し上げると、個人事業主の方は税務署への手続きだけでほぼ完結するのに対し、法人は、税務署以外に都道府県や市町村にも様式の異なる申告書を提出する必要があり、「サポートの無い状況だと少し厳しいな」という気がします。
以上を踏まえ相談では、「確定申告という点では、個人事業主は頑張れば形になります。法人だと一人でやるのは大変かもしれません」といった話をすることが多いです。
もちろん、「個人事業主は税理士が不要」と申し上げる気はありません。税理士に頼めば作業は早いし、より個々人の事情を汲み取り、使用可能な特例など検討してくれる可能性はあるでしょう。
また、昨今は各社が提供する申告書作成ソフトの機能も向上しているので、法人でも自身で申告作業を完結させるのは可能かもしれません。
しかし印象として、「やはり法人であれば税理士に頼んだ方が安心かな」、と感じます。では次に、「どのような税理士を選ぶのが良いのか」について考えてみます。これも正解は当然なく、私見ですので参考程度にご覧ください。
同業の先生を見渡すと、色々な特徴をお持ちです。
経歴でいえば税理士事務所出身はもちろん、「事業会社」、「金融機関」、「監査法人」などの
出身の方々、税務以外の得意分野でいえば、「資金調達」、「補助金申請」、「税務調査対応」…、
得意業種でいえば、「芸能関係」「医療系」…、
税の分野では一般的な法人税・所得税からさらに踏み込み、「国際課税」、「資産税」、「組織再編」などなど。
選ぶのは難しいかもしれませんが、「それぞれ特徴があるんだ」ということを頭に置きつつ、ホームページなどで先生の強みやバックグランドを確認し、一緒に仕事ができそうかイメージすることは大切です。
そしてより重要なのは、やはり「相性」です。
人間ですので、「合う、合わない」はあります。「絶対この人がいい!」という運命的な出会があれば別ですが、「2、3人と話した上で決める」というのは大事かもしれません。料金も様々ですので、「相見積もりをとる」ということも試してください。
税理士を探す手段は色々あります。
Google検索で『税理士 ●●区』など検索すればホームページは沢山ヒットします。会計ソフトを提供する会社が税理士を紹介してくれるサービスもあります。知人や取引金融機関から紹介を受けても良いでしょう。
事業者の皆様にとっては幸いにも、税理士業界はプレイヤーが多く、選択の余地があります。
とは言っても、顧問税理士をコロコロ変えるのは、新しい先生が過去の情報を100%引き継ぐのも難しいでしょうし、お勧めしません。
長い付き合いをすることを念頭に、最初にじっくりと見定め、信頼できる先生を探してみましょう。
東京都よろず支援拠点では、税理士の紹介はおこなっておりませんが、税務に関するご相談を承っておりますので、ぜひご活用ください。