経営者応援ブログ

中小企業の海外展開に重要なポイント~支援機関の選び方と活用方法~

こんにちは。東京都よろず支援拠点 コーディネーターの山中令士です。
今回は、皆様が海外展開を計画するにあたって、「事前の調査」がいかに大切か、ということをお伝えしたいと思います。

最近、東京都よろず支援拠点での相談内容として「海外展開支援」の相談が多くなっています。その理由の一つには、世界的な広い観点で市場の規模やこれからの成長性を考えると国内市場だけで事業を行うのではなく、広く市場を海外に求めていく事業者が増えている傾向があるのではないでしょうか。
ただ、やみくもに海外進出したい、ということで走ってしまうと、後々、大きな傷を負ってしまうリスクがあります。

まず、海外といっても広く漠然としており、米州、欧州、アジア、中南米、中東、アフリカでの地域を絞ったとしても、地域の国それぞれによって政治体制、法令や規制や税制、商慣習、そして投資コストが異なります。準備段階では、対象国や進出方法を絞り込んだ準備や調査が重要になります。
これまでの支援経験から言いますと、次のステップを順次踏んでいく調査や準備が大変重要です。

1.進出候補国の調査項目の洗い出し

まず、事前の進出候補の国、地域について事前調査の過程を確りと踏み、問題点や、調査すべき項目を洗い出します。この調査項目は日本国内での新規進出地を決定する過程と同様になりますが、それに海外の各国での事情が調査項目にプラスされます。

2.各国の情報収集・事前調査

次に、1.の過程で出てきた進出候補国での固有の事情についての疑問点、調査すべき項目について具体的な事前調査を行うことが重要です。
この調査すべき問題点や、課題項目が明確になってくると、どこで、何を調べるかが明確になり、より絞り込んだ調査方法が決まってきます。
こうした段階を踏んだうえで日本貿易振興機構(以下、JETROという。)や中小企業基盤整備機構(以下、中小機構という。)のHPに記載されている情報や各国の事情、法制、税制、輸出入といった個別課題の分析や活用方法についての情報、各相談窓口での個別相談を通して留意すべき項目、さらなる調査・検討すべき内容がより具体的に見えてきます。

3.現地調査

上記で明確になった調査項目について、更に現地に実際に足を運んで現地調査を行うことがとても重要です。自らの目で、願わくは、海外事業担当(予定)者と同行の上で、現地の法令や規制、商慣習や労働環境等を実地調査し、自身の目で調べることで、課題が明確になります。

<具体的な調査方法の例>
進出候補国の事前検討に重要な「投資コストや現地事情の調査」の方法について紹介します。

(1)投資コストについて

最初から明確に進出国が一つに限定されている場合は別として、複数の候補地間での投資コストやその他の事業に関する情報の比較調査は重要です。
海外進出について調査すべき課題は国別で多岐に渡ります。特に、法規制や投資コストが重要です。
投資コストについては、以下のJETROのホームページに世界の主要都市の投資コストデータをダウンロードできるツールがあります。

JETROhttps://www.jetro.go.jp/world/search/cost.html

このJETROのサイトでは、米国だけでも12の都市のコスト比較が可能な上、例えば、タイのバンコックとベトナムのハノイ、マレーシアのクアラルンプールの3つの都市の比較といったことも自身で自在に作成し、比較することができます。使用方法も丁寧に説明されていますので、簡単に情報の比較、分析ができます。

(2)具体的な海外進出の実務相談

こうした事前の調査を踏まえたうえで、具体的な海外への輸出入や海外進出の実務のご相談に対しては、次のようなサポートを受けることが出来ます。

① JETROでのサポート例

(a) 貿易投資相談(無料相談サービス)

輸出入や海外進出の実務の相談に対して、経験豊富なアドバイザーがお応えする無料のサービスです。

JETROhttps://www.jetro.go.jp/services/advice/

(b) 新輸出大国コンソーシアム事業

日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開に関心を持つ中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供する事業です。よろずからの紹介により実際に活用されておられる事業者もいらっしゃいます。

JETROhttps://www.jetro.go.jp/consortium/

② 中小機構でのサポート例

(a) 海外展開ハンズオン支援

海外ビジネスの課題やお悩みを解決するため、豊富な実務経験・ノウハウを持つ専門家があらゆる相談に無料でお応えし、ハンズオンで支援しています。オンラインでのアドバイスも可能です。特に、「海外現地での同行支援」では、審査の上で採択されることが必要ですが、手厚いサポートが受けられます。

中小機構:https://www.smrj.go.jp/sme/overseas/consulting/advice/index.html

(b) ECオンライン講座

海外向けの「越境EC」の活用を考えておられる事業者様や、自社の製品を海外向けに販売したい、という事業者様には国別や商品別でもって、eコマースでの「ECオンライン講座」が用意されています。
一言で海外向けの「越境EC」といっても、製品や対象市場によって販路開拓の方法や仕組みも異なりますので、より具体的な形まで絞り込んだ上で、講座を受けることをお勧めします。100本以上の動画が公開されていますので、きっとニーズに沿った内容もあると思います。

中小機構:https://www.smrj.go.jp/sme/overseas/e_commerce/index.html

以上、海外展開に重要な「事前調査」や「支援機関」についてご紹介いたしました。

今回のこのブログで紹介しましたJETRO様、中小機構様の内容はそれぞれのHPより参照しております。
各HPを直接参照して海外展開の準備することができますが、「いろいろと情報が詰まっているので、どこから調べればいいんだろう」という方も多いかと思います。
そうした場合は、東京都よろず支援拠点でナビゲートすることができますので、ご相談をお待ちしております。

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