東京都よろず支援拠点コーディネーターの浅沼です。
今回は私が事業者の方のご相談に対応する際に活用することもある「経営デザインシート」について触れていきたいと思います。
経営デザインシートは、自社や事業の「これからの価値を生み出すしくみ(価値創造)」を描き、「いま何ができるのか」を考え、行動していくことを整理する、未来の経営に向けた自社・事業の計画書です。内閣府がその作成・活用を推奨してします。
今は市場にモノがあふれている時代です。「良いモノをつくれば売れる」とは限りません。他社と比べて品質や技術で優れているからといって、ビジネスで勝てる保証はありません。このような時代にあって鍵を握るのは、多様化する顧客のニーズやウォンツに応える「価値」を提供していくことです。
経営デザインシートは、環境変化に耐え抜き持続的成長をするために、自社や事業の
(A) 存在意義を意識した上で、
(B) 「これまで」を把握し、
(C) 長期的な視点で「これから」の在りたい姿を構想する。
(D) それに向けて今から何をすべきか戦略を策定する。
1枚のシートに落とし込みます。シートは内閣府のフォーマットがあり、ゼロから作り上げるものではありません。
経営デザインシートの特徴は
- 1枚で全体を俯瞰できる
- 時間軸を意識できる 「これまで」と「これから」
- 想いを記載できる 「自社の目的・特徴」、「事業概要」、「価値」等
- 欄が限られているので、大切なことしか書けない 大切な部分の明確化
- 「資源」と「ビジネスモデル」と「価値」の関係性を意識しやすい
実際に経営デザインシートを作成しますと、未来の経営に向けた自社・事業の計画書が1枚出来上がります。1枚ですので、全体を俯瞰してみることが可能となり、また、関係者(後継者、従業員、金融機関等)とのコミュニケーションのツールとしても活用できます。作成した事業者様によっては、
- 社内に張り出して従業員の一致団結を図る
- 事業承継に向けて、経営者と後継者が一緒に作り上げることで、お互いの理解を深める
などにも活用しています。
内閣府:マンガでわかる「経営デザインシート」https://mirasapo-plus.go.jp/hint/18567/
経営デザインシートの作成は決して難しいものではありませんが、第3者の眼からみて、これからの価値を生み出す仕組みを考えてみることもお勧めします。
東京都よろず支援拠点では、都内の信用金庫様と協力して、多くの経営デザインシートの作成の支援にあたってきました。経営デザインシートの作成にご興味ございましたら、東京都よろず支援までご相談ください。