こんにちは。東京都よろず支援拠点 コーディネーターの水口です。昨年のコラムでは、「展示会を活用して商談をうまく進めるために必要な3つの安全性(バイヤー・会社・営業マン)」をご紹介しました。
皆さんは覚えていらっしゃいますか?新型コロナウイルスの頃は、展示会の開催そのものが無くなったり、直前で中止になっていました。
昨年のコラムは、展示会の開催がコロナ前に戻り多くの事業者様から「どうすれば商談が上手くいきますか?」と相談を多く受けるようになり、少しでも参考になればという思いから寄稿いたしました。
今年に入り、「展示会に出たけどブースにお客様が来ない」「展示会で名刺をたくさん集めたけれどその後うまくいかない」「商談までたどり着いたのに最後でいつも別の業者に負けてしまう」など展示会や商談会に参加したけれども上手くいかないというご相談を多く受けるようになりました。
私は、百貨店勤務の時代に多くの展示会に伺いました。その時の実体験を基に東京都よろず支援拠点でより具体的なアドバイスをさせていただいています。
このコラムをご覧になり、展示会商談会出店時の参考になれば幸いです。より具体的なお話であれば、遠慮なく、東京都よろず支援拠点へご連絡いただき面談のご予約を入れていただければ幸いです。それでは、展示会出展前・中・後の注意点を見ていきましょう。
■展示会出展前の注意点
「そもそもその展示会に買ってもらいたい人は来ますか?」このような質問を、お客様が来なかったとおっしゃる相談者にお伺いすると「わからない」という答えが非常に多いです。
展示会の主催者はどのような人達が来るのか、HP上に公開しています。
もし公開していない展示会に出展したい場合には、ご自身が来場者として視察に行けばいいのです。競合は出ているか?来場者の胸から下げている名刺ホルダーにはどんな会社の名刺がぶら下がっているのか?など事前のリサーチが重要です。評判になる展示会は来年もあります。
出展料も高いので、まずは焦らずターゲットとなるバイヤーさんが来る展示会なのか見極めてから参加しましょう。
■展示会出展中の注意点
万全な準備を行い「名刺交換たくさんできました!」と嬉しそうにご報告いただく事業者様もたくさんいらっしゃいます。しかしながら1枚ずつ名刺を見ても、話した内容を細かく覚えている方は皆無です。
名刺交換時にアンケートやヒアリングシートなどを取ることができれば細かな商談内容を思い出すことはできます。
しかし名刺交換がたくさんできたということは、1件に掛ける時間が短くなったということです。
展示会後の営業活動にも直結しますので、時間がなければ名刺等に話をした内容、購買意欲などを記載しておきましょう。
私はオリジナルの商談シートを作成し、購買可能性をランク分けするようアドバイスをしています。その他ブースのデザインやPOP、接客など展示会出展中の注意点は多岐に渡ります。様々な展示会に参加し他社の良いところを参考にしてみてください。
■展示会出展後の注意点
展示会出展後「お礼メールをすぐに送りました!」とお話される事業者様もいらっしゃいます。
どのように送ったか聞くと、BCCで一斉メールを送ったとのことでした。
せっかく展示会でお話出来たのに、具体的な提案等をされずにお礼だけで終わってしまうのは勿体ないですよね。購買可能性をランク分けし、可能性が高いお客様には、(a)一斉メールでは無く個別(b)展示会で話をした具体的内容(c)直接お会いして条件他商談を進める。
以上のような内容をお送りするように助言しています。直接お会いすることを進めているのは、会社に伺うことで先方がどのような会社か分かる為です。
展示会には不特定多数のお客様がいらっしゃるため、中には詐欺まがいの方もいらっしゃいます。サンプル詐欺なども発生している事例もありますので、新規取引の場合には注意しましょう。
せっかくの良い商品も皆さんに知ってもらえなければ売れません。展示会を上手に活用し大きな収穫を得られるよう、次回参加の展示から実践してみてください。