こんにちは。東京都よろず支援拠点コーディネーターの石田国大です。
創業を考えている方から、こんな言葉をよく聞きます。「商品には自信があります。でも、本当に売れるかどうか不安で」。この不安、実はとても大切な感覚です。
でも、悩んでいるだけでは解決しません。「売れるかどうか」は、小さく試してみることで初めてわかります。
今回は、事業計画の中に「デジタル×アナログの検証」を組み込む考え方をご紹介します。
1. まず「誰に売るか」を言葉にする

マーケティングで最初にやるべきことは、ターゲットの言語化です。「30代の働く女性」という表現では、まだ抽象的すぎます。
もう一段深く掘り下げてみてください。たとえば次のような問いに答えてみましょう。
- その人は今、どんな悩みを抱えているか?
- その悩みはどんな場面・状況で強く意識されるか?
- 何に時間やお金を使っているか?
- どんな言葉で検索し、情報探索にはどんなツールを使っているか?
答えを文章にしてみると、「育児中でも自分の時間を大切にしたい、でもなかなか罪悪感を感じてしまう30代の会社員ママ」のように、ぐっとリアルな像が浮かんできます。この解像度が、後の発信内容や価格設定、販売チャネルの選択すべてに影響します。
さらに一歩進めるなら、「ペルソナシート」を作ることをおすすめします。名前・年齢・職業・生活習慣・価値観まで書き出すと、「この人ならどう感じるか」という視点で商品やメッセージを点検できるようになります。
2. デジタルで仮説を「秒速」で検証する
ターゲット像が固まったら、次は実際に反応を確かめるフェーズです。ここでデジタルツールが威力を発揮します。
まずSNSでは、InstagramやX(旧Twitter)で商品・サービスに関連する投稿を試してみてください。「いいね」の数より、「保存」や「コメント」の内容が購買意欲の本当の指標です。どんな言葉に反応が集まるかを観察することで、響くメッセージが見えてきます。
さらに最近は、生成AIを使えば簡単なランディングページを数十分で作ることができます。サービスの概要・ターゲットへのメッセージ・問い合わせフォームだけのシンプルなページでも十分です。無料で公開できるサービスも多く、そこへのアクセス数や問い合わせ数を見ることで、「需要があるかどうか」を開業前に確かめることができます。完璧な準備が整う前に、まず世に出して反応を見る。これが高速PDCAの第一歩です。
Googleフォームでアンケートを作り、知人や想定顧客に回すだけでも、仮説の精度は大きく変わります。「何人に送って何人が答えてくれたか」という数字も、計画書に書ける立派なデータになります。
3. アナログの対面ヒアリングを絶対に省かない
デジタル検証が便利だからこそ、あえて強調したいことがあります。対面での直接ヒアリングは、決して省いてはいけません。
画面越しのアンケートでは拾えない「表情」「間」「言葉の選び方」に、深い洞察が隠れています。「これ、いいですね」と言いながら顔が曇っている。「値段はどうでもいい」と言いながら少し間があく。そういった空気感が、サービスの本質的な問題点や改善のヒントを教えてくれます。
想定顧客と思われる人に直接会って、「こんなサービスがあったら使いますか?」と聞いてみてください。5人でも10人でも、丁寧に話を聞くことで、デジタルデータでは見えなかった「本音」が集まります。
デジタルで広く・速く・定量的に検証し、アナログで深く・丁寧に・定性的に洞察する。この両輪があって初めて、事業計画の仮説は実態に近づいていきます。

4. 検証結果を事業計画書に落とし込む

こうして集めた情報は、事業計画書の「市場分析」「顧客ターゲット」「販売戦略」の各項目に直接反映できます。「感覚で書いた計画」ではなく「実際の反応に基づいた計画」は、金融機関や支援機関にとっても説得力が格段に増します。
完璧な計画より、動ける計画を。早く試し、早く学び、早く修正する。そのサイクルを小さく回し続けることが、創業後の生存率を高める最大の武器です。
5. よろず支援拠点に相談してみてください
「ターゲットの整理から一緒にやってほしい」「生成AIの使い方がわからない」「事業計画書のどこにどう書けばいいか教えてほしい」…そんなお悩みに、東京都よろず支援拠点では無料でご相談をお受けしています。
デジタルが得意でなくても大丈夫です。あなたのビジネスの仮説を一緒に整理するところから始めましょう。ぜひお気軽にご相談ください。
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