経営者応援ブログ

そのシステム投資額は本当に高いのか?

こんにちは!東京都よろず支援拠点コーディネーターの鵜飼雄太です。

2020年当初から現在に至るまで全世界で影響を与える新型コロナウイルスですが、感染予防対策として非対面型ビジネスモデルが推奨されたことなどもあり、企業規模や業種を問わずにDX(デジタルトランスフォーメーション)が無視できないところまできています。

よろず支援拠点でもシステム導入に関するご相談を頂く機会が増えており、その中でも 「システム導入費用が高すぎる」といった悩みをよく伺います。そこで今回はシステム投資についてお話させて頂こうと思います。

2台のパソコンで作業時間を計測

1台は当時の最新機種、もう一台は6年前の機種ですが、下記条件であれば1日当たりの作業時間に24分―3分=21分の差が出ます。

年間にすると21分×240日=5,040分=84時間、仮にこの作業を行う方の年収が400万円だった場合、時給換算で約2,000円として、年間で168,000円のロスが発生している計算になります。

単純な机上計算では、パソコンの買い替えに1台あたり10万円の投資が必要だったとしても、1年もせず回収できますね。

適正な評価軸を持つことが重要

もちろん物を大切に使うことも重要です。その為、上記のパソコンの例は、一概に買い替えを推奨している訳ではありません。ただ目先の金額だけで判断してしまっている場合は、導入効果を適正に評価してもらいたいと思っています。その為には評価軸を揃えてあげる必要があります。分かりやすい方法としては、上記例と同様、金額に置き換えてみることです。システム導入の目的が業務効率化であれば、削減可能な時間×時給(時間単金)で金額算出ができます。システム導入の目的がセキュリティ強化などの場合は単純には算出しづらいですが、それでも守るべき対象(情報)が漏洩した場合に被る損害規模から想像できるのではないでしょうか。

システム投資の”目的”が明確になっているか

これまでのお話はシステム投資額の妥当性の検証についてでしたが、私が相談に応じさせて頂く場合には「そもそもシステム投資が必要か?(なぜシステム導入をしたいのか、その目的は?)」ということも伺っています。

例えばある複数の飲食店を経営する事業者様から「これまでは従業員の勤怠管理を紙のタイムカードで行っていたが集計に時間がかかってしまうのでシステムを導入したい」という相談を頂いたのですが、よくよく話を聞いてみると、

・タイムカードの打刻漏れが多く、誰がチェックするかの役割も決まっていない

・締日が曖昧でタイムカードの提出日が店舗によってバラバラ

・休暇申請ルールがなく、誰がいつ休んだかも曖昧

という状況だった為、システム導入の前に勤怠管理のルールを決めて現場に徹底させることになりました。更に相談を進める中で、長らく不採算が続く店舗が放置されており、そちらの立て直しor撤退の検討の方が優先順位は高いのではないかということ結論に至りました。

システム投資はあくまで問題解決の”手段”の一つ

2021年にデジタル庁が設置され、冒頭でも申し上げた通り、今後は多くの企業でDX(デジタル化、IT活用含め)は無視できないものとなっています。つい「デジタル化を進めなければ」と考えてしまうかもしれないのですが、デジタル化はあくまで問題解決の”手段”の一つであり、その先に本当の”目的”があるはずです。

このあたりの考えを整理したいと思った場合には、中小機構が提供している「IT戦略ナビ」というツールを使ってみるのも良いかもしれません。

https://it-map.smrj.go.jp/

システム投資は高額になりやすいのは事実です。ただ、”目的”が明確で必要性を理解できており、且つ効果を適正に評価できれば、十分投資に見合うと判断できるかもしれません。DXはうまく付き合えば大きな力にもなります。もしお悩みの場合はそもそもシステム導入が必要かというところから一緒に考えますので、ぜひ「東京都よろず支援拠点」にご相談ください。

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