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展示会で交換した名刺、その後どうしていますか?〜BtoB中小企業のためのメール活用入門

名刺交換

こんにちは。東京都よろず支援拠点 コーディネーターの藤原哲史です。

「展示会に出展して、名刺は100枚以上集まりました」。ご相談の場で、よく伺う言葉です。そこで「その後、名刺はどうされましたか」とお聞きすると、多くの方が「商談に進んだ案件以外は、名刺ボックスに入れたまま」という状況です。

今回は、その眠っている名刺を売上につなげる方法として、メールの活用についてお話しします。

その名刺ボックスは、見込み客リストです

新規開拓というと、「これから新しい相手を探すこと」だと考えがちです。しかし実際には、一度でも会ったことのある相手のほうが、はるかに話は進みやすい。名刺交換をした時点で、相手はあなたの会社の名前と顔を知っているからです。

なぜ、BtoBではメール活用が有効なのか

理由の1つ目は、BtoBは検討期間が長いことです。名刺を交換した時点では、相手に予算も具体的な課題もないことがほとんどです。しかし半年後、1年後に必要が生じたとき、思い出してもらえるかどうかで勝負が決まります。

2つ目は、決裁者がメールを見る習慣を持っていることです。SNSは業種によっては見られていない可能性がありますが、業務用のメールは日常的にアクセスされています。

3つ目は、相手を特定して届けられることです。メールは「あの展示会で会ったあの方」に確実にメッセージを送れます。

メールの目的は、売ることではなく、相手が必要になった瞬間に自社を思い出してもらうこと、という認識が大事です。

送っていい相手と、気をつけたいこと

「勝手に送って問題ないのか」という不安から着手できない、という声もよく聞きます。

広告や宣伝を目的としたメールは、あらかじめ同意を得た相手に送るのが原則です(オプトイン)。ただし、名刺などの書面で自らメールアドレスを通知した相手や、すでに取引関係にある相手については、例外として認められています。展示会での名刺交換は、これにあたり得ます。

とはいえ「例外だから何を送ってもよい」わけではありません。最低限、次の2点は必ず守ってください。

1)送信者の名称や連絡先、配信を停止する方法を、メール本文に明記する

2)「今後は不要です」と言われたら、速やかに送信を止める

詳しい要件は、総務省のページからガイドラインを確認できます

▼ 総務省|迷惑メール対策 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/m_mail.html

なお、実務上で安心なのは、名刺交換の際に「後日、事例や資料をお送りしてもよろしいですか」と一言添えておくことです。

何を書けばいいのか──売り込まないネタの型

「ネタが続かない」と心配する必要はありません。あらかじめ型を用意しておけば、毎回ゼロから考えずに済みます。

1)現場の事例

取引先の社名を伏せた課題と解決の話。「先日、こんなご相談をいただきました」

2)よくある質問

商談で毎回聞かれること。「納期はどのように決まるのか」

3)業界の動き

法改正、原材料、規格の変化。「◯◯が変わります。当社の見方は」

4)失敗の共有

過去のトラブルと再発防止策。「以前、こんな失敗をしました」

5)自社の変化

新しい設備、資格取得、増員。「新しい機械が入りました」

分量はA4用紙の3分の1程度で十分です。長い文章は読まれません。また、商品の説明は全体の2割までにとどめた方がよいです。残りは相手の役に立つ情報にあてる。売り込みばかりのメールは、すぐに開かれなくなります。

続けるための、小さな仕組み

1)名刺のデータ化は5項目だけ。 会社名、氏名、メールアドレス、出会った場所、日付。表計算ソフトで十分です

2)頻度は月1回

週1回を目指して3か月で止まるより、月1回を2年続けるほうが結果につながります

3)配信日を先に決める

「毎月第1火曜の午前」のように決めてしまう。ネタから決めると必ず止まります

3)営業担当ご自身が書く

文章の上手さより、現場を知っている人の言葉のほうが伝わります

4)宛先の入れ方に注意

他社のアドレスが互いに見えてしまう形での一斉送信は絶対に避けてください

反応があった相手にだけ、営業する

メールを送ると、返信が来たり、資料請求があったり、自社サイトを見に来る方が出てきます。その方こそが「今、検討している人」です。

人手の限られた中小企業に、全員へ等しく電話をかける余裕はありません。反応のあった相手にだけ対応する。これが、最も現実的な営業の絞り込み方です。

配信停止の連絡が来ても、落ち込む必要はありません。対象外の方が減り、リストの精度が上がったということです。

おわりに

名刺は、集めた時点では価値になりません。その後に接触を続けてはじめて、見込み客に変わります。

まずは引き出しの名刺を、5項目だけ入力するところから始めてみてください。

とはいえ、「何を書けばいいかわからない」「自社の強みが言葉にできない」という段階でつまずく方も多くいらっしゃいます。東京都よろず支援拠点では、そうした整理をご一緒に行うことができます。さらに一歩進めるために、メール配信ツールなどを使いたいという相談にもお応えしています。

どうぞお気軽にお声がけください。

 

この記事を書いた人

藤原哲史

コーディネーター

藤原哲史 ふじわらさとし

[ 新橋事務所 ] 中小企業診断士 ITコーディネータ

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